徳永 徹(とくなが とおる、1927年9月15日 -2018年9月3日)は、日本の医学者、福岡女学院名誉院長。

生涯

出生から修学期

1927年、東京で生まれた。父の転勤に伴い、浦和、鎌倉、横浜、長崎と移り、県立長崎中学に入学。卒業後は第五高等学校に進んだ。1年次に太平洋戦争が終結し、原爆で廃墟となった長崎へ戻った。

九州大学医学部で学び、1952年に卒業。同大学大学院に進学し、1959年に博士課程を修了し、学位論文『ニトロフラン、ピロン、オメガ環状脂肪酸及びベンゾチアゾールなどの誘導体の抗菌作用に関する研究』を提出して医学博士号を取得。

国立予防衛生研究所時代

国立予防衛生研究所(現感染症研究所)に勤務し、研究と診療にあたった。結核部長、細胞免疫部長、エイズセンター長、同研究所長を務め、定年退官。

国立予防衛生研究所退任後

その後は福岡女学院院長、同理事長を務め、退任後は福岡女学院名誉院長。また、福岡女学院看護大学学長もつとめた。

受賞・栄典

  • 高松宮妃癌研究基金学術賞を受賞。
  • 1997年:勲二等瑞宝章を受章。叙正四位。

家族・親族

  • 祖父:徳永規矩は伝道者。
  • 弟:徳永恂は哲学者。

研究内容・業績

癌の免疫療法に用いるBCG菌の効果がBCG活性化マクロファージによることを報告。BCGから副作用の少ない水溶性有効成分の抽出を企図し、抽出・精製してMY-1と名付けた核酸画分を発見。MY-1中のBCG菌体DNAがインターフェロンの産生を誘導し、ナチュラル・キラー細胞やマクロファージを活性化し、強い抗腫瘍活性を示すことを発見。これは、DNAの免疫増強効果を世界で初めて発見したものである。この活性が脊椎動物や植物由来のDNAには認められないことを見出し、さらに多数の単鎖DNAを合成して、その活性中心がCGを中心とする6塩基配列であることを突き止め、これをCGモチーフと命名した。

著作

著書
共編著
  • 『がんと生体防御』編 東京大学出版会 1994
  • 『マクロファージ実験マニュアル』吉田彪・赤川清子共編 講談社 1994

脚注


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