鷹ノ巣駅(たかのすえき)は、秋田県北秋田市松葉町にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)奥羽本線の駅である。
本記事では、隣接している秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線の鷹巣駅(たかのすえき)についても、併せて記述する。
概要
秋田内陸線が国鉄阿仁合線だった時代には鷹ノ巣駅という1つの駅だったが、第三セクター転換時に秋田内陸縦貫鉄道の駅舎が敷地内西側に別に建てられ、同鉄道全線開業時に鷹巣駅と改称した。これは、鷹巣町が北秋田市へと合併する前の表記に合わせたことによる。JRと秋田内陸縦貫鉄道の改札は別になっているが、ホームは繋がっており、実質的には同一駅である。
JRと秋田内陸縦貫鉄道はレールがつながっており、当駅を経由する両線間の直通運転は2009年度(平成21年度)には25本あり、青森ねぶた祭や桜の開花期に合わせて運行されており、2015年(平成27年)でも弘前 - 鷹巣 - 角館間で臨時快速列車(森吉山麓紅葉号など)が運行されている。ただし、手動で分岐器を動かしてレールの切り替え、列車の入換作業をする必要があり、その作業に30分ほどかかっている。信号機や連動装置などを整備して分岐を自動化するには1億6000万円の費用が必要と試算されており、導入の是非が議論されている。
歴史
- 1900年(明治33年)10月7日:官設鉄道である奥羽北線(現在の奥羽本線)の一般駅として鷹ノ巣駅が北秋田郡鷹巣町に開業。
- 1934年(昭和9年)12月10日:国鉄阿仁合線が開業する。
- 1947年(昭和22年)8月12日:昭和天皇の戦後巡幸があり、弘前駅発 - 鷹ノ巣駅着、鷹ノ巣駅発 - 羽後飯塚駅着のお召し列車が運転。天皇は駅歩廊にて、同年発生した水害の復旧に携わった職員らに「ご会釈」の挨拶。
- 1961年(昭和36年)9月1日:乗降場番号を変更。
- 1973年(昭和48年)7月21日:鷹ノ巣駅にみどりの窓口がオープン。
- 1984年(昭和59年)2月1日:貨物の取り扱いを廃止。
- 1986年(昭和61年)
- 11月1日:荷物扱いを廃止。阿仁合線が秋田内陸縦貫鉄道に転換する。
- 12月20日:直営のハンバーガーショップ「パナデリア・アッキー」が開店。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、奥羽本線の駅はJR東日本の駅になる。
- 1989年(平成元年)4月1日:秋田内陸縦貫鉄道の全線開業に合わせ、同鉄道の駅は鷹巣駅と改称する。
- 2006年(平成18年)3月16日:JR駅のみどりの窓口を廃止。同月、「もしもし券売機Kaeruくん」設置。
- 2007年(平成19年):直営のハンバーガーショップ「パナデリア・アッキー」が閉店。
- 2012年(平成24年)
- 2月8日:「もしもし券売機Kaeruくん」の営業を終了し、指定席券売機の利用を開始。
- 7月27日:えきなかショップ「7 to 7」オープニングセレモニーを挙行。
- 2014年(平成26年)
- 7月:えきなかショップ「7 to 7」が閉店。
- 9月25日:北秋田市鷹巣駅前観光案内所オープニングセレモニーを挙行。
- 2015年(平成27年)10月1日:JR駅が業務委託化。鷹ノ巣駅長・助役を廃止し、大館駅長管理下となる。同時に夜間早朝の駅員配置がなくなる。
- 2018年(平成30年)12月1日:大館駅の業務委託化に伴い、東能代駅に管理駅が変更となる。
- 2019年(平成31年)4月26日:秋田内陸線旅行センターにおけるJR券・航空券の取り扱いを終了。
- 2024年(令和6年)10月1日:えきねっとQチケのサービスを開始。
駅構造
両社の駅は駅名が異なり、かつ駅舎も個別に設けられているが、構内は共用しており改札内の乗り継ぎが可能となっている。また、両社の線路も繋がっている。
JR東日本
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを持つ地上駅である。互いのホームは跨線橋で連絡している。1番線には北秋田市に伝わる「牛の一枚皮を使った世界一の和太鼓」と書かれたモニュメントが展示されている。
東能代駅管理の業務委託駅(JR東日本東北総合サービスが受託)。直営駅時代は管理駅でもあり、前山駅・糠沢駅の2駅を管理していた。駅舎には自動券売機、指定席券売機、待合室のほか、観光案内所が設置されている。2006年(平成18年)にみどりの窓口が廃止され、その代替として「もしもし券売機Kaeruくん」が設置されたが、2012年(平成24年)に営業終了し撤去された。
のりば
- 3番線は当駅始発の下り列車が使用する。なお、上下共用の待避線であり、両方向の発着と折り返しに対応している。
秋田内陸縦貫鉄道
頭端式ホーム1面1線を有する地上駅。JR1番線の秋田寄りにある。
社員配置駅。駅舎には出札窓口のほか、秋田内陸線旅行センター(旅行商品のみ取り扱い)がある。
利用状況
JR東日本
2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は440人である。
2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。
秋田内陸縦貫鉄道
駅周辺
南側は、北秋田市の中心地である鷹巣市街地が広がる。駅前からアーケードのある商店街が延び、金融機関や医療機関、市役所をはじめとする公共施設が集積している。東側の国道105号沿いには、大型商業施設が進出している。北側には、列車や鉄道施設防護の防風林があり、平坦な田園風景が広がっている。
バス路線
駅前商店街のアーケード下西側に「降車専用」が、東側に乗車用の「鷹巣駅前」停留所がある。
- 秋北バス - 北秋田市民病院・沖田面・薬師山スキー場・米内沢・大館方面。
- 鷹巣市街地循環バス(市が秋北バスに委託) - イオンタウン鷹巣が起点・終点で、市営住宅団地や公共施設などを経由する。
- 空港リムジンバス(秋北タクシー) - 大館能代空港の航空便の運航に合わせて運行。
その他
北秋田市内の観光地を結ぶ「森吉山周遊乗合タクシー」のほか、市外の「十和田湖・玉川温泉」方面へも予約制の乗合タクシーが運行している。
隣の駅
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- ■奥羽本線
- 特急「スーパーつがる」・「つがる」停車駅
- □快速
- 二ツ井駅 - 鷹ノ巣駅 - 早口駅
- ■普通
- 前山駅 - 鷹ノ巣駅 - *糠沢駅 - 早口駅
- *:一部列車は糠沢駅を通過する。
- 秋田内陸縦貫鉄道
- ■秋田内陸線
- 急行「もりよし」発着駅
- □快速(上りのみ)・■普通
- 鷹巣駅 - 西鷹巣駅
脚注
記事本文
出典
報道発表資料
新聞記事
利用状況
参考文献
- 武田元秀、山井美希(写真)「秋田青森県境の奥羽本線」『鉄道ジャーナル』第55巻第3号(通巻653号)、成美堂出版、2021年3月1日、40-45頁、ISSN 0288-2337。
- 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日。ISBN 978-4-533-02980-6。
関連項目
- 日本の鉄道駅一覧
外部リンク
- 駅の情報(鷹ノ巣駅):JR東日本
- 鷹巣駅(各駅情報) - 秋田内陸縦貫鉄道




