1989年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月3日に開幕した。ナショナルリーグの第21回リーグチャンピオンシップシリーズ(21st National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、翌4日から9日にかけて計5試合が開催された。その結果、サンフランシスコ・ジャイアンツ(西地区)がシカゴ・カブス(東地区)を4勝1敗で下し、27年ぶり19回目のリーグ優勝および16回目のワールドシリーズ進出を果たした。
両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのはこれが初めて。この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、6勝6敗の五分だった。カブスの本拠地球場リグレー・フィールドは1914年に開場し、1930年代以降各地の他球場が夜間試合用の照明器具を導入していくなか、昼間のみの試合開催を続けていた。1980年代に入り夜間試合のほうが高額のテレビ放映権料を得られるようになると、リーグはカブスに、ポストシーズン開催地の変更を示唆して照明設置を促した。その結果1988年に照明設備が導入され、今シリーズ第1戦は球場史上初のポストシーズン夜間試合となった。リグレー・フィールドでの2試合で両球団が星を分けたあと、ジャイアンツは本拠地キャンドルスティック・パークで3連勝してリーグ優勝を決めた。シリーズMVPには、第1戦で2本塁打を放ち6打点を挙げるなど、5試合で打率.650・2本塁打・8打点・OPS 1.882という成績を残したジャイアンツのウィル・クラークが選出された。しかしジャイアンツは、ワールドシリーズではアメリカンリーグ王者オークランド・アスレチックスに0勝4敗で敗れ、45年ぶり6度目の優勝を逃した。
キャンドルスティック・パークは野球専用球場ではなくアメリカンフットボールでも使用され、NFLのサンフランシスコ・フォーティナイナーズも本拠地としていた。10月8日、キャンドルスティック・パークでは当初、NFLシーズン第5週、ニューオーリンズ・セインツ対フォーティナイナーズ戦を開催予定だった。しかし今シリーズ開催のため、NFLの試合は開催地をセインツの本拠地ルイジアナ・スーパードームへ移し、その代わりに11月6日の2回目の対戦をキャンドルスティック・パークで行うことにした。
試合結果
1989年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月4日に開幕し、途中に移動日を挟んで6日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
第1戦 10月4日
- リグレー・フィールド(イリノイ州シカゴ)
第2戦 10月5日
- リグレー・フィールド(イリノイ州シカゴ)
第3戦 10月7日
- キャンドルスティック・パーク(カリフォルニア州サンフランシスコ)
第4戦 10月8日
- キャンドルスティック・パーク(カリフォルニア州サンフランシスコ)
第5戦 10月9日
- キャンドルスティック・パーク(カリフォルニア州サンフランシスコ)
脚注
注釈
出典
外部リンク
- Baseball-Reference.com(英語)
- 1989 National League Championship Series - IMDb(英語)
- 動画共有サイト "YouTube" にMLB公式アカウントが投稿した試合映像
- 第1戦:1989 NLCS, Game 1: Giants @ Cubs




