ピストンレス・ロータリーエンジン(英語: pistonless rotary engine)は、レシプロエンジンとは異なり、ピストンを使用しない内燃機関である。様々な設計があるが、典型的には1つ以上のローター(ロータリーピストンと呼ばれることもある)を含んでいる。様々な設計に基づくピストンレス・ロータリーエンジンが製造されたものの、実用・量産化されたのはヴァンケルエンジンのみである。

解説

ピストンレス・ロータリーエンジンでは、ピストンの直線往復動運動をより複雑な圧縮/膨張運動に置き換えている。その目的は、エンジンの運転のいくつかの側面の改善、例えばより高効率な熱力学サイクル、より低い機械的応力、より低い振動、より高い圧縮、あるいは機構の複雑さの低減などにある。2023年現在、ヴァンケルエンジンが唯一成功を収めたピストンレス・ロータリーエンジンであるが、多くの同様のコンセプトが提唱され、様々な開発段階にある。以下に開発段階別のピストンレス・ロータリーエンジンの一覧を示す。

  • 生産段階
    • ヴァンケルエンジン
    • リキッドピストン社のX-エンジン
    • ボーシャンプ・タワーの19世紀の球形蒸気機関(実際には蒸気機関として使用されたが、理論的には内燃機関としての使用にも適応性がある)
  • 開発段階
    • EngineAirのエンジン
    • ハミルトン・ウォーカーのエンジン
    • Libralatoロータリーアトキンソンサイクルエンジン
    • クワージタービン
    • RKMエンジン(ドイツ語: RotationsKolbenMaschine)
    • サリッチ・オービタルエンジン
    • トロキリックエンジン
    • ウェーブディスクエンジン
    • 章動ディスクエンジン
  • 構想段階
    • ジェローター
    • IRISエンジン

出典

推薦文献

  • Jan P. Norbye: 'Rivals to the Wankel: A Roundup of Rotary Engines', Popular Science, Jan 1967, pp 80–85. [1]
  • Article referencing the October 1964 issue of Mechanix Illustrated and the AMC/Rambler rotary

関連項目

  • レンジエクステンダー

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