アカヒメジ(赤比売知、学名:Mulloidichthys vanicolensis)はインド洋と太平洋に固有の、ヒメジ科に属する海水魚である。
形態と生態
アカヒメジは最大で体長38cmになる。背は赤みを帯びた橙色で、腹部は白色、鰭は黄色である。体の側面には一本の黄色の縞が入る。死亡後は和名の通り体色は赤色となる。
本種は夜間に甲殻類などを捕食する。昼には群れでサンゴ礁の外縁部に浮いて静止していることが多い。
分布
本種は紅海からハワイ、トゥアモトゥ諸島、北は日本、南はオーストラリアのロード・ハウ島までインド太平洋に広く分布する。日本では和歌山県沖などの南日本や琉球列島でみられる。本種は水深1mから113mまでのサンゴ礁や、海藻の茂る岩礁でよくみられる。
寄生虫
Volsellituba属とPennulituba属の合わせて5種の単生綱の寄生虫がニューカレドニア沖で捕獲された本種の鰓から発見されている。これらは全て新種として報告され、現在のところアカヒメジ以外からは見つかっていない。そのほか本種の腸からは二生亜綱の寄生虫Homalometron moraveciが見つかっている。
出典
参考文献
- Helfman, G., B. Collette i D. Facey: The diversity of fishes. Blackwell Science, Malden, Massachusetts, USA, 1997.
- Moyle, P. i J. Cech.: Fishes: An Introduction to Ichthyology, 4a. edició, Upper Saddle River, New Jersey, USA: Prentice-Hall. Any 2000.
- Nelson, J.: Fishes of the World, 3rd. Ed. New York, USA: John Wiley and Sons. Any 1994.
- Wheeler, A.: The World Encyclopedia of Fishes, 2nd. Ed., London: Macdonald. Any 1985.



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